修了生の声

IM での生活は、知識やスキルの習得だけでなく、人脈づくりや自己の成長にもつながります。

修了生に IM での生活を振り返ってもらいました。

女性ドライバーの採用・育成と新たなビジネスモデル構築が使命

齋藤 康典 さん
齋藤 康典 さん 2017年度修了 (2年制)

東京都出身。法政大学経営学部経営学科卒業後、タクシー・ハイヤー事業を展開する大和自動車交通(株)入社。営業所副所長、総務部人事課長、総務部長を経て2014年より取締役執行役員。現在は常務取締役執行役員総務部長として総務・人事・労務・情報処理、運輸安全マネジメント業務を管掌する。

齋藤さんが企業内イノベーターになることを決意したのは、常務取締役に就任した2015年のこと。次代を担う人材を育成するためにはまず自身を含む経営陣が意識改革を行い、喫緊の課題である人的資源管理について知見を深めることが必要と考え、MBA取得制度(授業料会社負担)を確立。一期生としてIMへ入学した。

「社内外のステークホルダーをつなぎ、プロデューサー的な役割を担える人材を育成することが目的ですが、業界の発展と会社の成長に貢献できる真の経営者に私自身がならなければ、という気持ちも強く、出身校である法政で学び直すことにしたのです」強く印象に残っている授業としては『人的資源管理論』(藤村博之教授)を挙げる。

「人材不足のなかで志を同じくする人をどう集めてどう育てるか。そこがポイントでしたので藤村教授の授業は特に集中して入っていきました。最初からぐいぐいと引き込まれる内容でしたので、履修を始めて間もなく行動を開始し、社内で女性のタクシードライバーを集めるためのチームを立ち上げました」

ターゲットエリアは、女性の運転免許保有率が高い東京・多摩地区。立川事業所を拠点にハローワークへの公示や採用サイトの刷新を行い、会社として初めて花柄のタクシーも実現。そしてIM修了までに、ドライバー候補として4名の女性を採用した。

「その数に満足はしていませんが、中高年の男性で成り立ってきた業界で、新たな一歩を踏み出すことができたと実感しています」齋藤さんの改革意欲はIM修了後にいっそう高くなっており、現在は事務職社員のモチベーションアップを図るための仕組みづくりに取り組んでいる。目標は新たなビジネスモデルの構築だ。

「タクシー業界において、会社単体で従来のビジネスモデルを根本的に変えることは不可能に近い。ですから労働生産性とサービスの向上に務めながら、タクシー・ハイヤー以外の柱を作るためのアイデアを公募し、人材と資金を投入するのが現実的と考えています。IMで得た人脈を最大限に生かして挑戦を続けていきたいですね」

沖縄県の経済的自立に寄与するために中小企業診断士になった

比嘉 智明 さん
比嘉 智明さん 2013年度修了 (MBA特別プログラム)

沖縄県出身。琉球大学工学部電気工学科卒業後、大手電機メーカーグループのSI企業を経て世界的なソフトウェア開発企業の日本法人に入社。法人顧客に対するICT活用のソリューションアドバイザーを務め、2013年に退社。現在はカナイ経営支援研究所代表として経営とICTに関わるコンサルティングサービスを提供。システム開発会社アーティサン(株)の取締役でもある。

IM修了後は沖縄へ戻ってカナイ経営支援研究所を設立。経営とICTに関わるコンサルタントとして、中小企業の事業承継支援、泡盛ブランド『誇酒(こしゅ)』の製造販売を軸とする酒造所の再建、沖縄の官民一体事業の設立などに関わってきた比嘉さん。沖縄県の経済的自立に寄与するために大手企業を辞し、中小企業診断士の資格を取得して4年。法人化も実現した今、その表情には自信と充実感が満ちている。

「県内の中小企業のICT活用度を高め、生産性の向上を図るのが私の使命。経営者に対してICT技術やサービスを導入すれば課題を解決できるという“気づき”を与え、システムの設計、構築、開発支援コンサルティングを行う。それが今のビジネスでベースは固まってきましたが、底上げという点ではまだまだ。首都圏に本社を置く大手SI企業の二次請けというポジションから脱し、自力で課題解決策の提案と導入ができるITベンダーを増やしていくことが、沖縄県の経済的自立につながると考えています」

そんな比嘉さんがIMでの1年間を振り返り「もう二度とないかもしれないと思えるほど、濃密な時間でした」と語るのが、現実の中小企業に対する経営診断実習だ。比嘉さんは製造、流通(この2業態は固定)に加えて小売、サービス、貿易の3業態を選択し、主体的にグループワークに打ち込んだ。

「保険代理店の営業職、IT企業のエンジニア、小売店の販売員など、異なる業界でプライドを持って仕事に取り組んできた社会人が集まり、本気で独立を目指して取り組むグループワークは、毎日が真剣勝負。経営者や役員にヒアリングを行い、人事、販路拡大、後継者育成などの課題を抽出して、100ページに及ぶ報告書にまとめる過程では喧嘩腰で意見をぶつけ合うことも珍しくありませんでした。でも、だからこそ、それまで縁がなかった中小企業の実態を知ることができ、経営者の立場で課題を探って解決策を提案できるようにもなった。今、大きな会社で仕事をしている方にこそ飛び込んでみてほしいですね。価値観が大きく変わると思いますよ」

一切の甘えを捨てて、最後まで諦めずに取り組めば人生が変わる

水沼 啓幸 さん
水沼 啓幸 さん 2009年度修了 (MBA特別プログラム)

栃木県出身。大学卒業後は地方銀行に勤務し2009年に退職。同年に入学したIMではプロジェクト・メソッドで最優秀賞を受賞。修了後に中小企業の事業承継を中心とするコンサルティング会社(株)サクシードを設立。以後8年で450以上の企業を支援し次世代の経営者育成にも取り組んできた。著書に『売上1000万円を稼ぐ! 「地域一番コンサルタント」になる方法』(DO BOOKS)がある。

2010年4月、栃木県宇都宮市で創業した(株)サクシードのコンサルティング部門における主力事業は、中小企業に対する事業承継支援。このビジネスモデルのベースは、代表取締役社長の水沼啓幸さんがIM(中小企業診断士養成課程)在学中、プロジェクト・メソッド(タイトルは『55歳以上の中小企業経営者に必須な健康診断・事業承継ドック』)として構築したものだ。

「テーマは久保田章一教授(現・浜田市長)と『マーケティング』の小川孔輔教授と相談して決めました。銀行員時代から、手続きが煩雑で不透明な事業承継はいずれ国家的な課題になると感じていたこともあり、『銀行員のキャリアを生かすためにも後継経営者にターゲットを絞るべき』と言われた瞬間、気持ちが固まりました」

水沼さんは『事業の魅力』『経営者としての資質』『税制・法律』という3つの視点から事業承継の課題を明らかにする診断方法を考案。それを中心に作成した独立後の事業計画書をブラッシュアップするために在学中に会った人は、中小企業の経営者、金融機関や商工会議所の職員をはじめ、400名を超えた。

「大学院生という立場を最大限に利用してアポイントを取り、修了後に起業することを含めて話をさせていただきました。一番の収穫は、コンサルタントが自社の事業計画を中小企業の経営者に提案し、アドバイスをお願いすることが新たな顧客獲得につながると分かったこと。それは地域で一番のコンサルになるために有効な方法で、起業を考えている方に伝えたいノウハウのひとつです」

こうして完成したプロジェクト・メソッドが最優秀賞を受賞したことも、優秀な人材と顧客を獲得する上で後押しになったという。

「毎年、当社が主催する後継経営者向けのセミナーに小川教授が登壇していただけるのも、在学中の成長を見ていていただけたからだと思います。起業して8年、社員11名の会社に成長させることができたのもMBAと中小企業診断士の資格取得ではなく、会社を作り人を集めることを目標にしたからこそ手にできたと信じています。一切の甘えを捨てて、最後まで諦めずに取り組めば人生が変わる。IMとは、そういう場所だと思います」

電設資材総合商社の3代目社長として海外ビジネスの拡大を目指す

佐藤 孝文 さん
佐藤 孝文 さん 2017年度修了 (1年制)

宮城県出身。東海大学教養学部国際学科卒業後、中部一円に営業拠点を持つ樹脂メーカー系商社に就職。営業職として4年間経験を積み、後継者として仙台に本社を置く電設資材の総合商社に入社。営業、企画職を経て現在は常務取締役(兼東京営業本部長)として海外事業の拡大に取り組む。

「アメリカ留学でMBA取得を目指す学生たちの姿を見て自分の甘さを痛感した時から、3代目として社業を引き継ぐことになれば大学院で経営を学ぼうと決めていました。父は難色を示していましたが、東北での再生可能エネルギー分野への進出の遅れを東京で取り戻して販路を拡大すると説得し、1年コースに入学しました」

昼間は東京・新木場の事務所で仕事をして夜は市ヶ谷で学び、週明けに仙台に戻って会議に出るというスケジュールのなか、最も大きな影響を受けた授業として佐藤さんが挙げるのは米倉誠一郎教授が教鞭を執る『ビジネスリーダー育成セミナーⅡ』だ。

「教授が質問は?と聞いたら必ず挙手して、当たったら発言する。それができない人はグローバル社会が認めるリーダーにはなれないという考えは衝撃的でした。授業には一代で日本を代表する企業を築いた著名な経営者を招くことも。ビジネスに対する覚悟の差を思い知り、打ちのめされたこともありましたね」

プロジェクトでは、日本の電設資材流通システムを東南アジアに効率よく導入するプランについてまとめた。

「大手ゼネコンが手掛けるテナントビルや製造工場等の建設現場に日本製の電設資材を提供するためのガイドブックになればと思って作成しました。自社のビジネスに直結する数値データを実勢値で盛り込んだため、優秀プロジェクト選考会への参加は辞退しましたが、論文を高く評価していただいたので満足しています。ファミリービジネスである電設資材卸売業の実力値を底上げして、利益率を高めるための施策や経営者に必要なスキルをバランスよく身につけることができたので、本当に充実した1年でした」

多くを学んだために修了後の実務では理想と現実の差に愕然としたという佐藤さんだが、現在は課題解決に目処をつけ、グローバルな舞台で活躍できる人材の採用に燃えている。1カ月のうち半分は東京にいるのでIMで得た人脈もフルに活用しているようだ。

「指導教授以外の先生からもフィールドワークや実ビジネスで役立つ海外現地法人や政府組織のキーマンを何人も紹介してもらうなど、修了後のフォローが手厚いのもIMの魅力ですね」

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