研究科長メッセージ

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イノベーション・マネジメント研究科長

藤村 博之

ビジネスの基本は顧客の問題解決です。何らかの問題を抱えている人や組織があり、その問題を解決する財やサービスを提供できれば、その人や組織は喜んでくれます。そして、財・サービスへの対価を受け取ることができます。利益は結果として生まれるのであって、第一の目的ではないと私たちは考えています。

ビジネススクールは、金儲けを教えるところではありません。どうすれば顧客が幸せになるか、その実現方法を立案し実行する能力を高める場です。ビジネスの出発点は、顧客の問題を発見することです。問題が発生した初期の段階では、何が問題かわからないことが問題です。そのような時に、いち早く問題を特定できれば解決も早くなり、顧客は喜んでくれます。

ビジネススクールには、多様な経験を持った人たちが集まってきます。働いてきた産業は様々で、年齢差は約40歳、会社経営者、個人自営業主、雇用労働者など就労形態も多種多様です。そう言う人たちが共通のテーマで議論すると、いろいろな意見が出てきます。自分ひとりでは気づけなかったことに気づけるのがビジネススクールのおもしろいところです。

法政大学には、アカデミックスクールを基盤としてビジネス人教育をしている研究科があります。アカデミックスクールの修士論文は、現在あるいは過去の問題がなぜ起こったのかをていねいに解明することを求めています。それに対してイノベーション・マネジメント研究科のプロジェクトは、問題を明確にした上で、その解決策を考え出して実行することを重視しています。その意味で、より実践的な能力を磨くことができると言えます。

予期できない事態に直面したときに力を発揮するのは、冷静な思考能力と問題解決への情熱です。あなたが持っている能力をさらに高めるために、私たちの資源を大いに利用していただきたいと思います。教室でお目にかかれる日を楽しみにしています。